ゴー宣DOJO

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泉美木蘭
2016.4.2 20:02

きょうは師範方との打ち合わせ。

よしりん企画御一行様が、「玄海」で打ち上げされていたらしい。
いいなあ、うらやましいっ。
「玄海」の目の前の大通りを渡ると、そこは新宿二丁目なんだけど、
私はそこで夜7時から深夜2時まで延々7時間ひとりでDJしていた。

慣れとはすごいもので、昔は曲を選んでいるだけでアップアップして、
盛り上げる方法も
わからず、とても長時間はできなかったのに、
いまでは、最少のスタッフでぎりぎり営業している状態で、
交代しようにもほかにDJがいないし、無理もきくようになって、
何時間でも、グラスを洗ったり、カクテル作ったり、ナッツを補充したり
しながらでも、途切れずに回し続けられるようになってしまった。
ほかの店にDJで呼ばれていくと、当然だけど優雅にDJだけやれば
いいので、ものすごく暇に感じてしまうくらいだ。

うちの店のマスターDJは70歳で、骨を折ったり、熱が出たり、手術したり
でこのごろ出勤日数が減ってしまったし
、ヘルプでたまに来てもらうDJも
71歳で、そうそう
しょっちゅうはお願いできない。
だいたいが、常連のお客さんたちが相当な高齢化の状態なのだ。
男性はバーカウンターに並んで尿酸値と血圧の話ばっかりしている。
昔はよく店で乱闘騒ぎを起こして、殴り合っていたんだという人も、
いまは血をサラサラにする薬を飲んでいるから喧嘩できないそうだし、
帰りがけにはコートを羽織りながら、「いてて、四十肩なんだよね……」
と痛がるお客さんをサポートしながら、
「……四十? ちがうわよ、六十肩じゃない?」
なんて応えてお見送りをしている。いや待て、七十肩だったかも?

「そのうち、スタッフの募集要件に『ヘルパー2級』を追加したりして!」
なんて言って笑ってるけど、それも冗談でなくなる日が来るかもしれない。
そんな高い店じゃないけど、夜遅くまで、カラ元気を振り絞ってでも
ラテンバーで飲んでいられる人は、そういう世代なのだ。

さて、今日は、昼間は写真スタジオの撮影講座の手伝い。
夜はゴー宣道場の打ち合わせ。
師範の先生方とお会いしてお話していると、なんだか自分のバランスが、
自然と調整されていくような感覚になる。
ひとりで黙々と考えていると、傾いたり、曲がったり、膨らんだり、縮んだり。
わたしみたいな自由勝手すぎる人間には、本当に有難い貴重な時間だ。
さ、ちょっと寝とこ。
泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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